平成25年2月定例会 平成25年度予算特別委員会

質問項目

■総務費 3月5日(火)

1 ワーク・ライフ・バランスの推進について

①性別による固定的役割分担意識の現状について

区は、男女平等参画行動計画において、「家庭における男女平等参画の推進」の課題に「性別役割分担意識解消のための啓発」を掲げ、情報提供や講座等を実施してまいりました。ご紹介のありました内閣府世論調査結果に対しては、委員ご指摘のように、背景に様々な問題があると受け止めております。この世論調査では、女性が職業を持つことについての考え方も聞いています。回答によると、「子どもができてもずっと職業を続ける方がよい」は、47.5%で、この数値は、調査開始以来、一貫して増え続けています。その一方で、20代では「子どもができるまでは職業を持つ」、または「子どもができたらやめて、大きくなったら再就職する」を選択した人の割合が、他の年代より、平均で13ポイント以上高く、若い世代にとって、子育てと仕事の両立が大きな課題となっていることがわかります。役割分担意識の形成には、家庭内でのコミュニケーション、家族関係、はもとより、雇用環境なども反映しており、男女共の子育てや介護を応援するための、きめ細かい支援を、個人に対しても、そして企業に対しても、一層充実させて行く必要があると認識しております。

②ワーク・ライフ・バランス推進企業認定制度の応募状況について

ワーク・ライフ・バランス推進企業認定事業は平成22年度から実施しております。分野は、子育て支援、介護支援、働きやすい職場環境づくり、地域活動支援の4種類です。平成22年度は応募6社、認定は3社でしたが、分野は働きやすい職場環境づくりのみの認定でした。平成23年度は19社の応募があり、14社を認定いたしました。認定の内訳は述べ数で、子育て支援7社、介護支援1社、働きやすい職場環境づくり12社でした。地域活動支援の認定はありませんでした。平成24年度は、21社から応募をいただき全企業を認定しました。認定の内訳は、子育て支援12社、介護支援2社、働きやすい職場環境づくり14社、地域活動支援4社でした。いくつかの分野を重ねて認定された企業もございました。

③女性の就業支援策について

働きたい人が性別に関わりなくその能力を十分に発揮して経済社会に参画する機会を確保できるよう、区では女性の就職、再就職を支援しています。男女平等参画センターでは、子育てと仕事を両立させている人たちから、その苦労や工夫、アイデアなどを聞き、参加者も共に話し合う両立支援講座や、再就職を望む人のための講座などを実施しています。また、女性経営者を講師に、新しいビジネスを起こすための講座なども開催いたしました。さらに、私どもの所管と産業・地域振興支援部経営支援担当との共催による、「再就職支援セミナー」を開催し、就職のためのノウハウを学ぶ機会を提供しています。加えて、経営支援担当では、平成2 5年度の新たな取組として、ハローワークや東京商工会議所などの協力による小規模就職面接会と基礎セミナーを開催いたします。このような様々な事業により、いわゆるM字カーブ対策となる女性への再就職支援を、今後とも積極的に推進してまいります。

④介護分野のワーク・ライフ・バランス展開のむずかしさについて

介護をしながら働く人にとって、介護は、いつ始まり、いつまでどの程度必要なのかの見通しを立てにくく、周囲や勤め先に相談しにくいという問題があります。企業側にとっても、従業員の状況を把握し、多様な形態の介護支援を設定することは、容易なことではありません。平成20年度調査によると、日本で介護休業制度の規定を設けている事業所の割合は、85.5%ですが、介護休業の取得率は0.06%にすぎないということです。高齢化が進むにつれ、家族からの自宅での介護を希望する要介護者が増加する一方で、少子化により兄弟姉妹が少ないことや、未婚率が高いこと、家族が離れて暮らしている場合が多いことなどが、仕事と介護の両立をむずかしくしています。今後、介護離職者の増加は、ますます深刻な問題となっていくことが予想されます。区は、区独自の多様な介護サービスの充実とともに、ワーク・ライフ・バランス推進企業の認定により、企業による先進的、積極的な取組を広く周知すると共に、企業向け介護支援講座を出前講座として実施するなど、企業の取組支援を一層充実させてまいります。

⑤男女平等参画センターの方向性について

ワーク・ライフ・バランスの課題に代表されるように、すべての人が性別にとらわれず、自分らしく豊かに生きるためには、今後、ますます男女が共にその個性と能力を発揮する機会を確保されることと同時に、責任を分かち合っていくことが必要です。男女平等参画を推進するための、拠点施設である男女平等参画センターは、新たな施設の開設を機に、女性だけでなく、男性の参画を一層促進します。また、これまで以上に幅広い利用層、年齢層に対して、身近な問題や魅力的なテーマを幅広く取り上げ、多様な生活スタイルを持った皆様に気軽にご利用いただけるよう事業を展開することを方向性としています。在住、在勤、在学の方と区内事業者が自主的、創造的に男女平等参画の課題に取り組んでいくことができる施設となるよう、新施設の開設準備を進めてまいります。

■民生費 3月6日(水)

1 子育て支援推進会議について

①会議の構成及び人数について

『「子育て支援推進会議」は、子ども家庭支援部を担任する日!』区長を会長とし、副会長を子ども家庭支援部長及び教育委員会事務局次長としています。委員は、各総合支所長、各支援部長、企画経営部長、総務部長の各部長級職員です。また、この会議体の下部組織として、区長部局及び教育委員会事務局の課長級職員を中心に構成する「幹事会」を設置しています。

②これまでの検討組織との違いについて

設置の背景は、「就学前人口の増加」、「保育園待機児童対策の必要性」、「幼稚園3年保育の要望」、「子ども・子育て関連3法の成立」などが上げられます。これまでの検討組織は、関係課長級職員を主たる構成員とする「保育園等あり方検討会」でした。この度の「子育て支援推進会議」は区長部局の部長級職員及び教育委員会次長を主たる構成員としているため、全庁横断的に広い視野で検討できる会議体としています。

③これまでの検討組織との違いについて

「子育て支援推進会議」は、平成24年11月2日・平成25年1月18日・2月15日の計3回開催しています。「幹事会」は、平成24年11月19日・12月13日・12月27日・平成25年2月8日の計4回開催しています。

④保検討内容の報告について

まず、喫緊の課題である「保育園待機児童解消策」について検討しましたので、それについて、今年度末の保健福祉常任委員会にて、ご報告したいと考えております。

⑤「子育て支援推進会議」と「子ども・子育て会議」の違いについて

「子育て支援推進会議」は、待機児童対策から、保育園・幼稚園・小学校の連携、児童虐待、いじめなど子どもに関する様々な課題について教育委員会事務局を含む全庁的視点から取組む区の部長級職員を中心とした区内部の検討組織です。一方、「子ども・子育て会議」は、子ども・子育て支援法第77条に基づく会議体であり、外部の保育・教育・子育て支援関係者などを委員とする検討組織です。この検討組織は、「子ども・子育て支援事業計画の策定」、「その後のPDCAによる実施状況の進捗管理人「その他子ども・子育てに関する調査・審議」を行うことを予定しています。

⑥「子育て支援推進会議」と「子ども・子育て会議」の連携について

「子育て支援推進会議」が区内部の検討組織であり、一方、「子ども・子育て会議Jが保育・教育・子育て支援関係者等、いわゆる外部委員による検討組織です。両会議の連携については、常に、同時並行で開催し、双方の特徴ある構成員の論議のもと、両会議体が相互に情報共有を行い、視野の広い、港区ならではの子ども・子育てに関する政策立案を行っていきたいと考えております。

2 みなと保育サポート事業について

①事業実施の経緯と内容について

平成24年度新規事業立案時の平成23年11月1日の待機児童数は219名、そのうちパートタイムや育児短時間勤務などの理由で一時的に保育が困難な家庭が半数以上の117名でした。こうした状況から、パートタイム勤務や育児短時間勤務等の保護者の保育需要に対応するために、定期的保育を行うみなと保育サポート事業を白金三丁目で開始しました。

②保育園との保育サービスの違いについて

朝登園し、午前中に天気が良ければお散歩などをし、お昼にお弁当を食べ、その後お昼寝をします。3時のおやつを食べ、その後は施設の中で保護者のお迎えを待つという子どもの1日の過ごし方は保育園と同様です。また、施設の面積基準や人員配置についても認可保育園と同様の基準です。認可保育園との違いは、利用時間について様々な形態の利用者がいることから、給食の提供をしていないところです。

③今年度の利用実績について

平成24年4月時点では定員約27名のところ47名の応募があり、辞退者も多くいたことから利用登録者22名(内1歳児11名、保育園待機児童11名)でスタートしました。その後、徐々に利用者が増え10月には登録定員が27名を超え、平成25年2月は利用登録者が36名となっており内訳は以下のとおりです。

現在の利用者の年齢別内訳(平成25年2月1日現在)
0歳 1歳 2歳 3歳 4歳 5歳 合計
20名 10名 5名 1名 0名 0名 36名
利用時間の内訳(平成25年2月1日現在)
3.5H 5H 5.5H 7H 7.5H 8H 合計
1名 1名 9名 2名 2名 21名 36名

④事業の拡充内容について

港南四丁目で区内2 筒所目となるみなと保育サポート事業を本年4月から新たに実施します。開設時間、休業日、入所要件等は先に開始したみなと保育サポート白金と同様に午前7時15分から午後6時15分まで、日曜、祝日、1月2日及び3日が休業日、入所要件は、保護者の短時間・継続的勤務、職業訓練、就学等により、平均週1回以上、家庭における育児が困難な児童を対象とします。定員は20名程度です。

⑤待機児童の解消効果と利用者の感想について

平成25年2月1日時点で、みなと保育サポート白金の利用登録者36名のうち、15名の方が入国申込みをしていますが、みなと保育サポート事業を利用することによって必要な保育を受けており、その結果、待機児童解消に寄与しております。平成24年9月から10月にかけて利用者アンケートを実施しました。13名から利用者アンケートの回答があり、11名が満足しており利用に不満がある方はいませんでした。自由意見として、職員がフレンドリーで優しく手厚い保育を受けている、子どもが施設に行くのを楽しみにしている、もう少し長く預かつてほしいなどがありましたので、引き続き事業の検証をしていきます。

■教育費 3月11日(月)

1 区立図書館について

①みなと図書館・三田図書館の改築の進捗状況について
第2次港区立図書館基本計画のWEBアンケートによると利用比率が最も高いのが、みなと図書館と三田図書館である。施設整備のための重点施策としても、みなと図書館と三田図書館の改築が挙げられている。進捗状況は。

みなと図書館は昭和54年7月、三田図書館は昭和57年4月に開設し、いずれも30年以上が経過しており設備等の老朽化が進んでいます。また、両図書館の資料収蔵量にも限界が来ているなどの背景から、港区基本計画に改築計画を計上しました。現時点では、改築手法や改築用地の確保などの解決すべき課題があり、それらの解決にむけた様々な手法を検討し、早期の実施を目指しているところです。

②開館時間の延長について
港区立図書館の土曜・日曜・祝日の開館時間は9時から17時となっている。第2次港区立図書館基本計画のWE Bアンケート結果によると、開館時間の満足度は40と低いが、重要度は100と高い。23区の開館時間を見ると、土曜日は20時や21時まで開館しているところがほとんどである。開館時間の延長についての検討はどこまで進んでいて、いつごろ実現の予定か。

開館時間の延長については、図書館サービスの中でも重要度が高いサービスであると認識しております。特に土曜、日曜及び祝日については、区民の利用が多く予想されます。より効果的な開館時間と財政負担のバランスにも配慮、しながら、開館時間延長の実現に向け検討してまいります。

2 区立中学校における知的財産に関する教育について

①新学習指導要領に示されている知的財産について
新学習指導要領においては、新たに技術・家庭、音楽の教科で知的財産についてふれられている。具体的にそれぞれの教科でどのような要領なのか。

中学校学習指導要領解説「技術家庭」の中では、情報通信ネットワークと情報モラルについての指導事項において、著作権や情報発信に伴って発生する諸課題や発信者としての責任について理解し、情報社会において適切に活動する能力と態度の育成することの重視が示されております。また、中学校学習指導要領解説「音楽」においても、音楽に関する知的財産について必要に応じて触れることが示されています。授業の中で表現したり鑑賞したりする多くの楽曲には著作者がいることや、著作物であることを意識させ、著作権を守ることの大切さを指導するように示されています。

②知的財産に関する指導について
港区立中学校では、技術・家庭、音楽のそれぞれの教科においてどのような指導がされているか。

指導についてですが、技術科では、デジタル作品の制作を通して、アニメのキャラクターや企業のロゴを無断で自分の作品に使用してしまうと法に触れる心配があることや、自作のホームページに無断で他の人の写真や文書を引用することも肖像権や著作権を侵害する恐れがあること等を指導しています。また、デジタル化に伴い、違法コピー等の問題が生じていることを理解させています。次に、音楽については、例えば「ルールを守って音楽を楽しもう」の単元の中で、作品をつくった人の権利についてはもとより、音楽を利用する際のルールや作品をつくった人の許諾を得る必要があることなど、身近な生活と関連付けて指導しています。

③地域資源を活用した知的財産に関する教育の推進について
区内には知的財産にかかわる関係団体や企業が多数あるこれら地域資源である団体や企業などを活用して、知的財産に関する教育を推進していくことを、区はどのように考えているか。

知的財産にかかわる教育を学校で推進していくためには、この分野についての専門性や知識を必要とすることから、著作権関係団体や企業等と連携・協力していくことが必要です。港区内には、一般社団法人日本レコード協会、財団法人ソフトウェア情報センター、映像文化製作者連盟等の著作権にかかわる関係団体や、海外への進出に伴い知的財産権の活用・保護が充実している大手企業が多数あります。今後、知的財産にかかわる教育を推進していく上で、これらの団体・企業との連携や協力の在り方を検討してまいります。

3 安心・安全な学校の教育環境について

①大阪のバスケットボール部生徒の自殺について
大阪市立桜宮高等学校のバスケットボール部で、頑張っていた高校生が自殺した事件について、港区教育委員会はどのように考えているか。

教育委員会では、今回の大阪市立桜宮高校の事案を重大事故として重く受け止めており、このような体罰により、児童・生徒の尊い命が絶たれてしまうことは、絶対にあってはならいことだと認識しております。大阪市の外部監査チームの調査報告からは、顧問からの執劫かつ理不尽な暴力が日常化しており、生徒に重大な肉体的・精神的な苦痛を与え続けていたことが明確になりました。このような体罰は、子どもたちに身体的な苦痛を与えるだけではなく、精神的にも恐怖感、劣等感、屈辱感、無力感等を与え、長期間にわたって心にも深い傷を負わせてしまうものです。もちろん児童・生徒の誤った言動等に対しては、毅然とした態度で過ちを正す指導が必要ですが、体罰による指導はいかなる場合も認められません。体罰に頼る教員は指導力のない教員であり、体罰により正常な倫理観を養うことはできず、むしろ児童・生徒に力による解決への志向を助長させ、いじめや暴力行為などの土壌を生む恐れがあると考えております。

②港区の体罰の実態について
体罰で懲戒処分を受けた教員はここ数年、350人から400人間で推移しており、なくなる気配がない。2011年の体罰については404人が挙げられている。港区の公立学校においての実態はいかがか。

平成23年度(2011年度)、港区において、体罰事故で懲戒処分を受けた教員はおりません。

③港区の体罰への対応について
体罰については、「子どものサインを見逃さない」「悩みを話せる環境づくり」が指摘されています。港区における対応はどのようになっているか。

体罰については、各学校における服務研修会及び教育委員会主催の人権研修会の中で、「体罰は違法であること」「児童・生徒の人権を侵害する行為であること」等を繰り返し研修し、子どもとの信頼関係に基づいた指導の大切さを浸透させております。

④安心・安全な学校教育環境を確立させるための予算編成について
いじめ対策と併せて、子どもたちの安心・安全な学校教育環境の確立について、どのように平成25年度の予算編成されているのか伺いたい。

平成25年度は、新規事業として「港区いじめセーフテイネットコミュニティ事業」を予算化してお、子どもを人権侵害から守る取組を重点的に推進しております。具体的には、いじめ・不登校の未然防止、早期発見、早期解決等を中心に、子どもの人権を守る視点を重視しながら、区長部局と教育委員会が一体となり、保護者、民生児童委員、子ども家庭支援センターや児童相談所、警察等の関係諸機関を交えて、子どもの人権についての共通理解や、事案対策・意識啓発等を推進してまいります。この取組の中に「体罰事故の防止」も取り上げ、安全で安心な学校教育環境の整備に一層努めてまいります。